カベルタ情報ページ       
作用・副作用、製薬会社、インドの特許制度などについて


|目次|

1
薬の詳細

2
シルデナフィルについて

3
RANBAXY

4
インドの
特許制度


 

1.薬の詳細

カベルタ(CAVERTA100mg
RANBAXY社製


 バイアグラのジェネリック医薬品としては世界的な定番。カベルタ100mgはインド最大の製薬メーカーRanbaxy(ランバクシー社)の医薬品で、世界保健機構の基準およびガイドラインに従い製造・販売している男性用勃起不全薬です。
 カベルタは、そもそもペニスを直接勃起させる薬ではなく、勃起を阻害する体内酵素の働きを弱めることにより、勃起を促進させる薬です。カベルタは従来のインポテンツの治療法(ホルモンやパパベリンの注射もしくはプロステーシスの注入等)とは異なり、ただ1錠ないし1/2錠を性交の30分程度前に飲むだけでインポテンツの治療、勃起力の強化、勃起時間の延長、ペニスの硬度を高める等の効果が認められています。
 健康な男性の場合、性的刺激を受けると神経伝達物質の酸化窒素が急激にあふれるように放出されます。次に、酸化窒素が「環状GMP」と呼ばれる化学物質を放出します。この「環状GMP」が勃起性組織の「平滑筋(血管壁を構成する筋肉)細胞」を膨張させます。カベルタはペニスに存在する『環状GMPを分解する酵素』をブロックし勃起を可能にするという訳です。男性が性的興奮により勃起するメカニズムはペニス中の化学物質
Cyclic GMPの働きと考えられていますが、ED患者はGMPの分泌が少ない、またはGMPを破壊する酵素の分泌量が多いため十分な勃起が維持出来ません。カベルタに含有される有効成分SildenafilによってGMPの高水準の維持が可能になります。

行為の30分から1時間前に1/41錠服用します。1錠を超えて服用することはできません。
硝酸塩、アルミ硝酸塩、亜硝酸塩、ニトログリセリンが含まれている薬と併用することはできません。急激な血圧の低下を招きます。

■カベルタ使用を控えなければならない人
 1  不整脈、低血圧または高血圧症の方
  2  硝酸剤/一酸化窒素(NO)供与剤を服用中の方
  3  脳梗塞、心筋梗塞、心筋梗塞や心不全を患った経験のある方
  4  ニトログリセリン系の薬または心臓病を治療する薬を服用している方
  5  肝臓障害、末期腎不全患者、不安定狭心症、遺伝性網膜変性症の既往歴のある    方
  6  網膜色素変性症の方

製造元:ランバクシー社(インド)
発売元:ランバクシー社(インド)


2.カベルタの成分クエン酸シルデナフィルについて

 米国医師会の学術誌、Journal of American Medical Association(JAMA)誌は、「 勃起不全(ED)治療薬のクエン酸シルデナフィルを飲んだ後に運動をしても、心臓の機能に与える影響は、薬を飲まなかった(プラセボを飲んだ)時と変わらない」と結論を出しています。論説では、シルデナフィルを飲んでいなくても、心筋梗塞などを起こすリスクはセックスをするだけで2.5倍高くなるとのデータを紹介し、「性的な運動とシルデナフィルとの相互作用を検証する研究が必要」と強調しています。  また、狭心症等の持病のある平均年齢66歳の高齢男性105人の被験者を用いた実験(一方にクエン酸シルデナフィル、他方にプラセボを投与)で、、血圧や心機能の変化などを調べた結果は次のようなものでした。
 シルデナフィル服用組/プラセボ服用組の差について両組とも血圧がやや下がりましたが、心機能にはクエン酸シルデナフィル投与組とプラセボ服用組との大きな差は見られませんでした。また、両組に運動(自転車こぎ)をさせて心電図や心臓の動きを調べる検査でも、プラセボを服用組とシルデナフィル服用組とで結果に違いはありませんでした。
 以上の結果から研究グループは、「シルデナフィルを飲んだ後に運動をしても、心臓の機能に与える影響は、薬を飲まなかった(プラセボを飲んだ)時と変わらない」と結論しています。


3.カベルタ製造会社・RANBAXY社について

 米国食品医薬品局(FDA)は2008年インドの後発(ジェネリック)医薬品大手ランバクシー社の医薬品30種以上の輸入を一時停止した。医薬品の安全性に問題はないが、ランバクシーのインドのデワスとパオンタ・サヒブにある2つの工場で、製造器具の洗浄状況、生産管理、品質管理などに関する記録の保存に関して問題が改善されていないためとしている。また、FDAが今年1月から3月にかけて問題の2工場を査察した際、抗生物質の取り扱い方法にも問題が発見されたという。輸入が停止されたのはこの2工場で生産された医薬品で、FDAは問題が解決され次第、輸入を再開するとしている。FDAの医薬品評価研究センター(CDER)副センター長のダグラス・スロックモートン氏は「FDAの基準に沿った医薬品製造工程の採用を徹底することで、米国民が使う医薬品の品質を維持するための予防的な措置を取った」と述べた。

 FDAが輸入停止した医薬品には、コレステロール低下剤のシンバスタチン、抗生物質のシプロフロキサシン、糖尿病患者に使われる血糖降下剤のメトフォルミン、高コレステロール血症の治療薬のプラバスタチン、アレルギー薬のロラタジンなどが含まれる。このうちシンバスタチンは米製薬大手メルクが「ゾコール」として販売している。エイズ(後天性免疫不全症候群)治療用の医薬品数種類も含まれるが、FDAはそのうちガンシクロビルは供給がひっ迫しているとして、例外的に輸入を認めた。

  

4.インドの特許制度について

 インドの特許法3条(d)には医薬品開発における発明の定義について次のような規定がある。

 ・すでに知られている物質の新しい形態の発見に過ぎないものは、その物質について知られている有効性の向上をもたらさない限り、本法で言うところの発明ではない。また、すでに知られている方法、機会または装置の新しい特性、あるいは新しい使用の発見に過ぎないものは、そのすでに知られている方法が新しい製品をもたらすか、少なくともひとつの新しい動作を用いない限り、本法でいうところの発明ではない。

 わかりにくい条文だが、要するにインド国内法では、すでに知られている物質成分を他の効用を持つものとして使用する際、それを発明と標榜するのは非常にが付きまとうということだ。シルデナフィル塩として知られていた成分を、単に勃起不全の治療に有効だからといって、インドでは特許がとれない。

 かつて、ノバルティス社がこうしたインドの特許法はWTO/TRIPs(知的所有権の貿易関連の側面に関する協定)違反であるとインドのチェンナイ(旧マドラス)高等裁判所に訴えたが、2007年8月、同裁判所はそれを却下した。裁判所曰く「TRIPs協定自体がインドの国内法ではない!つまり強制力がない」。恐るべしインド。しかし一方エイズ問題等に奔走する国際NGO団体にはこの判決が高く評価された。エイズの蔓延を阻止する実際的な運動のめんからは安価で信頼にたるインドのジェネリック医薬品(インド特許法によって保護された)が絶対に必要だったからだ。また同時に、発展途上国が医薬品の開発上、常に不利な立場に立たされているという状況に対する発展途上国側からの対抗策という意味でも評価された。

 しかしこのことが、ED治療におけるバイアグラという、当時世界で最大の利益をあげた上げた医薬品に対抗するカベルタやカマグラといった安価な薬を生み、世界に流通することになった。インドの特許法がイギリスやアメリカ、日本を初めとする世界の中流市民のセックスライフに一定の影響を及ぼすなんてことを、いったい誰が考えたであろうか。


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